同じ山でも季節が変われば景色も大きく変わるもの。
山登りの面白さの1つだと思ってます。
特に夏と冬の景色の対比は凄まじく、登山においては装備はもちろん、ルートそのものが変わるなど、そこに至るまでの行程も大きく変化します。
夏と冬、思い出深かった山々のご紹介。
どこかの記事で書きましたが、ここ最近の登山は新規の山というのが格段に減っていて、過去に登った山の再訪というのがほとんどです。
同じ山、同じルートでも、季節を変えるだけでそれなりの新鮮さは得られるのですが、こと夏と冬においては全く別の山と捉えることもできます。
雪山に親しみを覚えると、夏の登山中においても「ここは冬にも来てみたい」とか「雪が積もればさらに面白いんじゃないか?」なんて考えてしまう人も多いのでは?
八ヶ岳
人気の登山エリアでも冬ともなればその大半が閉ざされた山域となります。そんな中、通年を通して登りやすい人気スポットと言えばやっぱり八ヶ岳。
冬でも営業している山小屋が多く、日帰りだけでなく小屋泊でゆっくり登るという選択肢も可能です。
2017/8/26-27 【八ヶ岳】赤岳~横岳~硫黄岳 テント泊登山
冬に特に登りやすいのは北横岳や天狗岳と言った北八ヶ岳エリアですが、主峰の赤岳もいくつかの山小屋が使えるので挑戦することは可能です。
ただ、ここ最近の八ヶ岳はなんだか少雪傾向で、雪が少ないが故に岩が変に露出してそれが逆に危険だったり……。つい先日、天狗岳でも遭難事故が発生しているので、冬の八ヶ岳に登るなら最初はやはり北横岳あたりがお勧めです。
余談になりますが、主峰の赤岳がその名の通り赤い山だと知ったのは、八ヶ岳に登り始めて5年くらい経ったときでした。
ご来光に照らされるモルゲンロート、真っ赤に染まるその姿を見て「あぁなるほど、これが赤岳の本当の姿か」と感動したのは、この時間に稜線に立っていたからこそ。
季節だけでなく、登る時間をほんの少し変えるだけで見れる景色というのは大きく変わります。
上州武尊山
群馬県の日本百名山・上州武尊山も、ここ最近は雪山登山の人気スポットになってきました。
私は夏に1回、冬に2回登りに行ってるのですが、最初の夏山はもう8年前なのでだいぶ忘れかけてます。
2015/1/11 上州武尊山 日帰り雪山(スノーモンスター)登山
御覧のように、上州武尊山は山頂そのものよりも隣にそびえる剣ヶ峰が最高の映えスポット。
天に突き出るその様はマッターホルンの異名を持つに相応しい姿だと思います。
初めての雪山登山で見た景色が忘れられず、それ以降冬になると毎年自分の中で候補に挙がる山となっています。
夏はどうかわからないですが、冬は今後も登りに行くと思います。
蔵王山
東北の山でも、一年を通して登れる山というのはもちろんあります。その中でも通年でロープウェイが利用できて、なおかつ夏と冬で全く違う景色を見れるのが蔵王山。
もはや、別の山と思ってもいいくらいの変貌を遂げます。
2018/6/2 【東北】蔵王連峰(不忘山~刈田岳~熊野岳) 日帰り縦走登山
夏の見どころと言えば、やっぱりエメラルドグリーンの御釜。この山のシンボルともいえる存在で、荒涼とした周りの風景と相まってここが火山であることを如実に物語っています。
大して冬ともなれば、日本屈指ともいえる樹氷ワールド!豪雪がもたらす巨大な雪のオブジェがそこら中に立ち並び、夏とはまるで違う異世界空間がそこには広がっています。
山頂の鳥居も御覧のような姿に。
土地柄、冬はそう滅多に晴天に巡り合えないのが難しいところですが、蔵王の樹氷も久しく見ていないので、再び登りに行きたい欲が強まっております。
磐梯山
福島の盟主・磐梯山。この山は夏と冬、ほぼ同じルートを辿って山頂に行ったのですが、同じルートであるがゆえに景色の対比がとても面白かったです。
特に櫛ヶ峰の稜線から見た磐梯山の風景。
これがたまらなく美しく、夏と冬どちらを取っても満足できますが、私としてはやっぱり冬の雪景色に衝撃を受けました。まさに雪の砦、ラストダンジョンのような威圧感がありましたよ。
冬の磐梯山は安易に登れるというわけではなく、コンディションによってはかなりのラッセルを強いられることもあるので、ここはできれば複数人で臨みたいところです。
夏に登るのであれば裏磐梯・銅沼からの景色が特にお勧めです。
水面に映る磐梯山の岩壁。夏は新緑、秋は紅葉、コンディションによって水量も大きく変化するので、雪がない時期でも景色の変化を感じ取れるスポットです。
唐松岳
冬の北アルプスで手軽に登れる山というのはそうないですが、そんな中でも登山者に人気なのが唐松岳。
白馬八方スキー場のリフト・ゴンドラを使えるので、ここも夏と冬の景色の対比を楽しむことができます。北アルプスだからこその圧倒的なスケール感!
2018/7/20-21 【北アルプス】唐松岳~五竜岳 テント泊登山
夏の唐松岳の見どころと言えば、途中にある八方池からの景色。鏡のように水面に映し出される白馬岳が最高に美しく、山登りをする者としては一度は見ておきたい景色です。
そんな八方池も、冬ともなれば凍結してその姿を消し、代わりに白銀の白馬岳が目の前に現れます。
どちらも唐松岳山頂まで行かずに見れるのが魅力的。登頂なんてほんのおまけ程度にさえ思えてしまう景色が、このルートの序盤にはあります。
仙丈ヶ岳
最後に紹介するのは南アルプスの仙丈ヶ岳。冬場は日帰りで登ることはほぼ不可能なので、安易にお勧めすることはできないですが、個人的に冬の景色に衝撃を受けたので載せておきます。
2012/8/4 仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳(南アルプス・テント泊登山)
2017/1/5-7 【南アルプス】仙丈ヶ岳 山小屋泊雪山登山
別名「南アルプスの女王」。その名の通り、全てを包み込むような包容力ある稜線が見所の1つですが、真っ白に雪をかぶった姿がもう美しいのなんのって。
優雅なその佇まいに並々ならぬ感動を得たのを覚えています。特にここに至るまでの道のりが長かったので、余計に心に響くものがありました。
例年だと、正月シーズンだけ北沢峠の山小屋が営業するので、そこを狙って小屋泊で登りに行くのが良いかと思います。私もそれで登りました。
ちなみに、この時に泊まったこもれび山荘の夕食のハンバーグ。これが現時点での私の山小屋食No1です。あの肉厚粗挽きのクオリティーを山の上で出すかと思ったよ。
正月はおせちが出たりもするそうです。ぜひまた行きたい。
花の夏山登山と冬の雪山登山。
同じ山でも季節が変わるだけで、全く違う感動を得られるのが登山の面白いところでもあります。特に冬の場合、それがたとえ同じルートであったとしても夏の面影がないに等しい山もあるので、なおのこと新鮮さが味わえるってもんです。
当然、冬の雪山というのはそれなりにリスクを伴うので、登る際はくれぐれもお気を付けください。夏は簡単に通れたところが冬は一転して危険地帯、なんてことも結構あります。
自分も気を付けます。
他にも紹介したいところはたくさんありますが、列挙していたら長くなりすぎてしまったので今回はこの辺で。
また機会があれば書きたいと思います。
おしまい。
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