3月中旬に丹沢の大山へ登ってきました。
目的は不動尻のミツマタの群生!3月中旬から4月にかけて満開を迎えるミツマタですが、大山の麓にある不動尻は屈指の群生地として有名。
初めて訪れましたが、確かに凄かったです。一面ミツマタの黄色一色で覆われる様は圧巻でした。
不動尻、恐るべし……
3月も半ば、仕事もだいぶ落ち着いてきて次の山はどこに行こうかと考えていた昼下がり。
街にはすでに春の兆しですが、山はまだまだ冬景色。いっちょ雪山へ繰り出そうかと思った矢先に飛び込んできたのがこのニュース。
助からなかったか… | 北アルプスの唐松岳で遭難 千葉県の41歳男性が死亡 テントごと風に飛ばされる… 周辺では雪崩発生https://t.co/0W6Ipk5R5L
— みやっち (@JunMiya85) March 19, 2020
あの唐松岳でテントごと吹き飛ばされるとは……。この翌日は県警の捜索のために入山禁止措置も取られたようです。
さらにこの強風予報は週末にかけても続くと知ったので、悩む間もなく取りやめ。
ビビりなもんで……
ここは無難に近場の山へ軽登山にでも行こうと、思い当たったのがミツマタ。
ちょうど春分の日。春を告げる花・ミツマタこそまさに旬な季節。自分の中でミツマタと言えば丹沢というイメージがあって、そんな中でも特に気になっていた不動尻のミツマタを見に行ってきました。
2020年3月20日 大山~不動尻 日帰り登山
不動尻のミツマタが目的ですが、不動尻が丹沢・大山の登山口でもあるので、今回は大山登山も合わせて。先に登頂してしまって下山時に立ち寄ることにしました。
ということで、まずは大山へ。
早朝6時半、小田急線に乗って伊勢原駅へ降り立つ。 丹沢の大山と言えば、登山の入門編の山として、それはそれはもう超有名な存在。ケーブルカーもあるし、自分自身も山登りを始めたての頃に登りに行ったことがあります。
でも、それももう9年前のこと。大山は本当に久しぶりで、この伊勢原駅もだいぶ昔に来たことあるな、、程度の記憶しかありませんでした。
そんな懐かしの伊勢原駅から大山ケーブル行きのバスに乗車。
大山のケーブルカーは通年営業なので、観光客も合わせていつも賑わっている山。
それを避けるべく6時台のバスを狙って早起きしましたが、その甲斐あってまだ車内はがら空き状態でした。
乗車時間30分ほどで、大山ケーブルバス停に到着。
あぁ、、何という懐かしい風景。……と言いたかったですが、正直あんまり覚えてないので、何だか来たことあるようなないような曖昧な感じでした。
ここからケーブルカー乗り場までは徒歩15分ほど。ケーブルカーには乗らないですが、登山口もそちらにあるので乗り場方面へ歩いていきます。
ケーブルカーが動くのは朝の9時から。まだ時刻は7時ということで、観光客もおらず、店もほとんど閉まっていました。
こういう登山口の小さな商店街って、独特の雰囲気あって好きです。
しばらく階段が続きますが、観光客を飽きさせないような工夫が足元に。
大山の別名……、全然わからなかった。
雨降山っていうらしい。そうだったのかっ!
過去に聞いたことがあるような気もするけど、全然覚えてなかった。雨が良く降るんですかね?
そういえば、某山岳気象予報士さんが昔「丹沢の天気は一番読みづらい」とか言ってたのを思い出した。
大山名物が「とうふ」というのも忘れていた記憶。
普段から豆腐はご贔屓にしている食材。安いしたんぱく質豊富で健康的だし。夏の縦走登山とか、下山直後にさっぱりとした冷奴が食べたくなること良くあります。
ここら辺の豆腐料理も機会があれば食べてみたいんだが、今日はあいにくここには下山して来ないんだ……
階段を登り進めていくこと10分、ケーブルカー乗り場口を横目に登山道へ入っていきます。
登山道は女坂、男坂と二手に分かれているのでお好きな方を選択しましょう。
違いは女坂は大山寺経由で登れるけどほぼ階段、男坂は大山寺には立ち寄れないけど登山道、という感じ。
久しぶりに大山寺に行きたかったので、自分は女坂を選択しました。
女坂の登山道。過去の大山登山では、確か登りはいつも男坂を選択していたので、女坂を登りで使うのはこれが初めてだった気がします。
ここにも登山者を飽きさせない一工夫。
女坂の七不思議なるものを読みながら登っていく。
すぐに大山寺の階段に到着。
両脇に仏像が整列する厳かな佇まい。
大山寺に到着。小さい寺ですが、この大山寺に立ち寄りたいのであれば女坂を選択する必要があります。
登りは男坂、下りは女坂、というルート構成でもいいかもしれません。
そして、ここでも懐かしいものが。
大山寺にある「かわらけ投げ」。あぁ、こんなもの確かにあったわ~、とこれはよく覚えていた場所。
この鳥居の投てき場所から、かわらけ(円形の石みたいなやつ)を下の輪っかにくぐらせるように投げ入れればご利益があるとか、そんなんだった気がする。
結構距離があるので、難易度は高そう。
投げるフォームだけ決めて一礼して退散しました。
登山口へ戻ろうと、ふと足元を見た瞬間、、、
でかいカエルが2匹、踏みそうになって思わず声を上げちまった。ビビった……そして、取り込み中お邪魔しました。
大山寺の池はカエルの住処らしく、探せば簡単に1匹や2匹は見つけられるかと思います。(カエル苦手の自分にはちとキツかった……)
気を取り直して、大山寺から引き続き女坂登山道を登っていく。
女坂はこんな感じの石畳の階段がひたすら続くので、膝に来て結構しんどいかもしれません。山登りとして楽しむならば、男坂の方がいいかも。
階段続きっていうのは足腰に来る。。
大した距離でもないはずなのに息を切らせながら、阿夫利神社下に到着。麓のケーブルカーに乗れば、この地点まで上がって来ることができます。
男坂ルートともここで合流。
鳥居をくぐって大山阿夫利神社に参拝。
記憶にある以上に立派な社でした。まだ時刻は8時前、ケーブルカーもまだ動き出してはいなかったので、ここも静かでした。
標識に従って、ここから再び登山道へ。
鳥居の奥に見える急な階段を登り切れば、ようやくそこから山登りらしい道に入っていきます。
ようやく土の上を歩く。
道が荒れているように見えますが、順路は明白で危険個所も特にないのでご安心を。
天狗の鼻突き岩
しばらく登ると、丹沢の山頂付近で良く見る木道も見えてきます。
ひたすら登りだけど、女坂の階段に比べたら全然歩きやすい。
途中の絶景ポイント、富士見台に到着。
その名の通り、富士山が拝める絶好の場所になっています。
富士見台から望む富士山。ルート上、ここで初めて富士山側が開けるので、富士見台まで来ると一定の達成感があります。
この日は全国的に強風警報が出ていて、ここから見ても富士山上部で雪煙が巻き上げられているのがわかりました。
雪山なんかに行かないで正解だったかもしれない。これから登る大山も標高1200m程度なのに結構な風でしたよ。
富士見台以降は徐々に空も開けて明るくなってくる登山道。
時刻は8時を過ぎたころ。まだ下のケーブルカーは動き出していないですが、早いもんでもう下山している人もチラホラいました。
後ろを振り返れば海を一望。海を見ればわかる、視界良好やん!
気温は割と暖かい日でしたが、空気が全然霞んでおらず遠くまで見渡せる。正面奥に見えている島って、伊豆大島だよね。
ものすごくクリアに見えます。
その後も登り進めていって、ヤビツ峠側からのルートとも合流。
ここまで来れば山頂もすぐそこ。
頂上入口の鳥居
9年ぶりにくぐらせて頂きます。
8時35分、大山山頂に到着。標高1252m、日本三百名山にも選定されている丹沢屈指の人気を誇る山。登山初心者を連れて登るにも最適な場所です。
私は確かこれが3度目の登頂だったはずですが、なにぶん久しぶりなもんで、もう何もかもが懐かしい。
山頂からの海の展望。陸と海の境がくっきり。
季節はもう春に差し掛かっていますが、伊豆大島も望めて真冬のような澄んだ景色が広がっております。
トイレ裏の展望台からは綺麗な富士山。
暖冬少雪と言われながらも、何だかんだ富士山上部はしっかりと積もっていますね。強風にあおられて雪煙が舞っていました。
大山山頂も北斜面側だけかなりの強風で、ちょうど温度計あったので見てみたら0℃でした。
体感的には風が強いだけで、日差しは暖かい。なんたって腕まくって半そで姿だったし。
到着時刻も早かったので、山頂にはそれほど人もおらず静かな雰囲気でした。
朝ごはん食べながら、ここで小休憩。
街側の展望も見事で、はるか奥には高層ビル群も見えました。
自分の場合、近場の山域としては大月界隈の秀麗富岳十二景がご贔屓ですが、コスパやアクセス面で言ったら大山もさほど変わらないので、もっと登りに来ようかな。
街と海と富士山がこれだけ見渡せるって、なかなか素晴らしい。
混んでくる前に退散。
木道の階段を伝って下りていく。
向かうは不動尻。大山は登頂しましたが、今日のメインはこっち。
不動尻方面へ4.2kmの道を歩いていきます。
(不動尻、横文字にしたらノーモーションぷりっケツ)
しばらくは丹沢によくある木道路。
雨上がりでは少し滑るので要注意。この前週、丹沢でも雪が積もるほどの降雪がありましたが、登山道の雪はほぼ溶けていました。
時折見れる海の展望がやっぱり素敵だ。
そういえば、ちょうど1年前に海の向こうに見えている伊豆大島の三原山へ登りに行ったんだっけか。黒砂漠が広がる異世界感満載なので、伊豆大島もぜひ一度は行ってみてください。
少し下ると道は二手にわかれます。
不動尻に行くなら左へ。右は見晴台経由でケーブルカー乗り場へ戻れるルートになっています。
ここから不動尻までの道は初めて歩く区間。
どんなもんかと思ってましたが、序盤はすごく展望のいい道が続きます。
こういう草原のような明るい登山道も気持ちよく歩けて好きです。
登ってきたルートと同様、不動尻までも歩きやすい道が続きます。
途中、両側が切れ落ちた箇所がありますが、木道に手すりも用意されているので安心。
途中、分岐が何ヶ所かありましたが、不動尻方面へひたすら歩けばOK。たまに標識の文字が七沢になったりもしますが、不動尻も同じ方面なのでこれに従って下りていきましょう。
その後も単調な樹林帯を下っていくと、不動尻に行きつく前に目的のものが見え始めました。
これよ、これ!
今日の目当てがこのミツマタ。3月から4月にかけて満開となる、黄色いホワホワの花です。
ここ不動尻は、このミツマタの群生で有名なのですが、その規模がとてつもなかった…!
山肌一面を覆うほど密集して咲くミツマタのお花畑。ちょっと想像を軽く超えてたわ。
不動尻に到着したのは10時くらいでしたが、ここから30分ほど居座ってひたすらミツマタ鑑賞会。
ここの群生は有名なのでもっと混んでいるのかと思っていましたが、割と静かで思い思いに見て回れました。
ちなみに俯瞰するとこんな感じ。
写真で見ると良くわからないですが、目にする斜面一体にミツマタが咲いています。
木漏れ日が差し込んで光り輝くミツマタが、またこの上なく美しい。
ミツマタはこれまでの登山でも何度か咲いているのは見たことがありましたが、これ目的で群生地に繰り出したのは今回が初めてなもんで、この咲きっぷりにはたまげたわ。
こんなたくさん咲くもんなんですね。
この後もひたすらミツマタを撮り続ける。
いいもん見させてもらいました。
これは確かに人気のスポットになるわ。栽培しているじゃないかってくらいの群生っぷり。
見事でした。
不動尻で登山道は終わり、後は道なりにアスファルトの道を歩いていけば麓のバス停に着きます。
自分は大山経由で来ましたが、不動尻のみを目的に訪れる人も多く、ここから先の林道ではたくさんの人とすれ違うようになりました。
林道を歩き始めてすぐのところに咲いていた謎の花。
他のハイカーさんが熱心に撮っていたので真似して撮ってみたけど、この花は何じゃろか。
少し進むと、なんとも怪しげなトンネルを発見。
ここを通っていきます。
なかなかの距離がある1直線のトンネル。
入口付近なので明るいですが、奥に行くと足元が見えないほど真っ暗になるので、心配であればヘッドライト持って行った方がいいです。
日没後にここを歩く気にはなれないな……
トンネルの出口。
見る分にはなんか冒険感あっていいですね。千と千尋の神隠し的なやつ。
入口も雰囲気あって、不動尻ハイキングの1つの面白ポイントになりました。
その後も引き続き道なりに街へ下っていきます。意外と長く感じました。
途中、路肩駐車している車もあったので、車で来ればこの林道歩きは多少省略できる模様。
昼近くになって気温もどんどん上昇。予報では20℃に達すると言っていたこの日。
登山道脇では桜も咲き始めていました。
下山後の日帰り入浴はこちらの七沢荘へ。バス停から一番近そうだったので選びました。
日帰り入浴1100円なので少しお高いですが、まぁここら辺は温泉郷なのでせっかくなので入っておきます。
結構人気の温泉らしく、混んでいる時は入場制限がかかることもあるようです。この時点ではまだがら空きでした。そして、日本一波動温泉とは!?
露天風呂は割と広め。シャワーから出るお湯も温泉で、浴槽のお湯よりぬるぬるしていた気がします。
1時間以上温泉でのんびりして、こちらの広沢寺温泉入口バス停からバスに乗って帰りました。(七沢荘からバス停まで、徒歩5分ほどです)
久しぶりの大山登山でしたが、なにぶんもう9年ぶりだったもんでほとんど覚えておらず、懐かしさがありつつも初めて登ったような新鮮さが大半で大いに楽しめました。
空気も澄んでいて、展望も思っていた以上に良かったし。
そして何より不動尻のミツマタね。
もう凄い規模でした。桜、ツツジ、ハクサンイチゲ、チングルマなどの群生はこれまでも見に行ったことはありますが、ミツマタにフューチャーした山行というのは今回が初めて。
初見だからこそ、余計に圧倒されたのもあるかもしれません。大山登山と合わせて楽しめるので、ぜひ一度訪れてみてください。
例年、3月中旬以降に見頃を迎えます。
ミツマタの群生地は他にもいくつかあるので、色々と行ってみたくなりました。
【日程】
2020年3月20日
【コースタイム】
7:00 大山ケーブルバス停
7:25 大山寺
7:45 阿夫利神社
8:35 大山
10:00 不動尻
11:50 七沢荘(入浴)
13:15 広沢寺温泉入口バス停
コメント
みやっちさん、こんばんは!
私は、3月27日に不動尻に行ってきました。
少し終盤でしたが、それでも斜面一面のミツマタには圧倒されましたね!
ポンポン咲くミツマタ、大好きな花の一つになりました。
来年はミツバ岳にも行ってみたいと思います。
Springさん、こんばんは。
ちょうど私の1週間後ですね。ミツマタは見頃の状態が長そうなので、3月中に行けばそれなりに楽しめるようですね。
私もあのポワポワ咲くミツマタの群生に圧倒されました!本当に凄い規模ですね。有名になる理由がよくわかりました。
今回の山行でミツマタが気に入ってしまったので、同じく私もミツバ岳にはいつか行ってみたいです。
こんにちは。
ミツマタ凄いですね!
関東圏在住ではないので行きづらいですが、いつかは行ってみたいです。
謎の花は「ダイモンジソウ」ではないでしょうか。
花の形からその名前が付けられています。
ただ、夏~秋にかけて見かける花ですので時期が全然違いますね・・・。
ろっぴさん、こんばんは。
不動尻のミツマタ、噂にたがわぬ凄い規模でした!近場でありながら、これまで訪れなかったのが非常にもったいなかったです。
「ダイモンジソウ」、画像見てみましたが確かに似ていますね。数人のハイカーが熱心に写真を撮っていたので真似して撮ってみましたが、その人たちに聞いておけば良かったです。道脇に数輪しか咲いていなかったので、自分だけだったら間違いなくスルーしてました…(汗
みやっちさん
こんにちは。
私もみやっちさんが行った数日前にミツマタを見に不動尻に行きました。
私も大山経由で行きたかったのですが、大山にまだ雪があったので、鐘ヶ嶽に登ってから不動尻に行きました。
私も不動尻のミツマタは初めて訪れ、あの一面ミツマタ光景には圧倒されました。
すごかったですね!
謎の花はユキノシタではないでしょうかね?
ゆかぽんさん、こんにちは。
おぉ、ゆかぽんさんも見に行かれましたか!数日前ということは、確かにあの大雪が降った直後あたりですね。
不動尻のミツマタ、噂には聞いていましたが本当に凄い規模でした!私も初めてでしたが圧倒されましたよ。ミツマタめぐり、3月の登山の恒例になりそうです。
花の情報ありがとうございます。写真検索して見てみましたが、確かに花びらの形が似ていますね。というかユキノシタというエレガントな名前の花があるというのを初めて知りました!