冬のラッセル登山 人気の雪山でも起こりえる死闘!

登山
スポンサーリンク

冬の雪山登山において、良く聞く横文字の1つが「ラッセル」。

モフモフの雪と戯れ格闘しながら道を切り開くという、例のやつです。

夏のグリーンシーズンとはまた違った絶景が見れる冬の山登り。強風、低温、陽の短さ……、夏場とは難易度も格段に異なり、必要となる装備も全然違うのが実情。

雑誌なんかで人気の雪山として紹介されてる山でも、タイミングによってはラッセルを強いられることがあったりします。

 

冬の上州武尊山 ラッセル雪山登山

 

山の始まりは人それぞれですが、自分の場合は大学時代に友人と登った富士山でした。

そこから近場の奥多摩や丹沢なんかも登ってみて、あぁ、登山楽しいなぁ~とか思って。夏にはアルプスなんかも挑戦してみたり、はたまたテントなんかも買って縦走とかしてみたり。

そんなことを繰り返していると、何だかんだ登りたくなるのが雪山。人によっては暑いのが苦手で、そもそも冬がメインという人もいるかもしれませんが……。

雪山にある程度慣れ親しみ、いっちょまえに冬の登山の何たるかを語りだそうというところで口から出る単語の1つが「ラッセル」です。何を隠そう、自分がそうでした。

 

冬の高川山 雪山登山

「いや~、まさかトレースついているとは思わずラッセルして山頂まで行ってやったよ」と初めて偉そうに語ったのは、確か近場の秀麗富嶽十二景・高川山あたりだったと思います。

 

雪が積もった高川山へ日帰り登山

なんてことはない、積雪10cmほどの雪を踏みしめながら進んだ程度でしたが……(そもそもラッセルではなかった)

 

私の場合、本格的にアイゼンやスノーシューを履いて雪山に登るようになったのは2013年頃ですが、流石に8年ほど雪山に登っていると、予期せぬタイミングでラッセルを強いられるようなこともありました。

特に今回挙げる山は、冬の山岳雑誌でも良く目にする人気の山かと思います。皆さん、同じ状況になったら、大いに苦労して大いに楽しんでください。

 

上州武尊山

冬の上州武尊山 樹氷とラッセル登山

2015/1/11 上州武尊山 日帰り雪山(スノーモンスター)登山

ラッセル登山というワードで、自分がまず思いつくのがこの群馬県の上州武尊山

冬の上州武尊山は過去に3回登ってますが、思い出すのは1回目の2015年。

今でこそ雑誌にも良く紹介される雪山定番の山となりつつありますが、当時はそこまで人気ではなかった気がします。現在は冬の入山にはココヘリ加入が義務付けられていますが、当時はまだその規制もありませんでした。

正月明けの三連休、川場スキー場のリフトを乗り継いでゲレンデトップに降り立ってみたら、登山者は自分たち以外誰もいない状況でした。

 

冬の上州武尊山 樹氷とラッセル登山

今だったら考えられないことなのかもしれませんが、当時はこれが普通なのかな、と思いながら同行者のまさきと登り始めました。

最初からスノーシュー履いて登るのですが、もうスタート直後からボフボフ埋まるわ埋まるわの繰り返し。冬の上州武尊山に登ったことがある人ならわかると思うのですが、川場スキー場を出発して早々の剣ヶ峰手前までの急登。あそこが本当に辛かったです。

 

冬の上州武尊山・剣ヶ峰

何とか登り切って剣ヶ峰に着いた頃には、もうくたくた……。ここら辺でようやく後続者が来てくれたのであっさりと先を譲りました。

思えばこの時だったかもしれません。「あぁ、ラッセルッてこれか」と体感したのは。

ものすごく疲れましたが、「俺らが作った道良かったろ、先行けよ」って後ろの人にクールに譲るあの感覚。単なる自己満でしかないですが、ラッセルというものを少しだけ好きになれた瞬間でもありました。

 

冬の上州武尊山 樹氷と剣ヶ峰

それと、この時の上州武尊山は今振り返って見てもこれ以上ないほどのコンディションで、稜線の樹氷・スノーモンスターと白き剣ヶ峰が最高に美しい景色でした。

年々少雪傾向にある中で難しいのかもしれませんが、このような状況下でまた登りに行きたいものです。

 

磐梯山

冬の磐梯山 ラッセル登山

2019/12/29【福島】磐梯山 日帰り雪山登山

直近で覚えているラッセルがこちら。福島の磐梯山

上州武尊山にも通じるところですが、ラッセルというのは得てして登り始める直前まで降雪に見舞われた状況下で起こりえます。

この時もそうでした。序盤から薄っすらとトレースはあったものの、それを上回る積雪でズボズボはまり……。しかも男5人でアタックしているということで、根拠のない余裕からスノーシューさえ履かずに最後までツボ足で歩き通すという暴挙に出ました。

 

冬の磐梯山 樹氷とラッセル登山

この時は裏磐梯ルートで登ったのですが、ラッセルを強いられたのは2ヶ所。銅沼から稜線に出るまでと山頂直下の弘法清水小屋以降の区間。

特につらかったのが後者です。

先行者は2人いたのですが、なんせこっちはツボ足スタイルだったので無駄に体力消費しながら進みました。時間には割と余裕もあったし天候も安定していたので、これはこれで楽しかったのですが、一人で登っていたら間違いなく途中で心が折れていたであろうコンディションでした。

 

冬の磐梯山 日帰り雪山登山

冬の磐梯山。安達太良山や西吾妻山と並んで福島の人気雪山の1つですが、ここは日帰りで登るにはまぁまぁの難易度かもしれません。

週末ならまだしも、平日に単身特攻される方はどうか万全の装備で。櫛ヶ峰の稜線からの展望が抜群だったので、個人的にはお勧めしたい雪山の1つではあります。

 

安達太良山

冬の安達太良山 ラッセル登山

2016/2/11 安達太良山 日帰り雪山登山

先の磐梯山以上に人気のある雪山が安達太良山。通年を通して登りやすい山で、私も冬季だけで3回は登りに行ってます。

ラッセルに見舞われたのは2回目のソロで登った時。この時、スキーツアーの夜行バスで行った手前、早朝5時ごろに現地着ということでスタートがトップバッターになってしまいました。

ズボズボ埋まりながら突き進み、途中ではあわや道迷いかという状況に……。

 

冬の安達太良山 日帰り雪山登山

迷いやすいのは序盤の勢至平あたり。だだっ広い平原であるがゆえに、ちゃんとGPSとか持って行かないと方向見失う危険があります。

くろがね小屋に着いた辺りではもうヘトヘトでした。ここから小屋泊まりの人のトレースもあったので楽に登れましたが、山頂に着くころにはだいぶ雲も多くなってしまって景色もそれほど見れず。。。序盤のタイムロスが痛かったです。

 

冬の安達太良山・凍り付く大火口 雪山登山

結局、満足に冬の安達太良山の景色を堪能できたのは、この2年後の3回目の登山の時でした。

冬の定番雪山として知られている安達太良山でも、場合によっては牙をむくんだなと知らしめてくれた山行でもありました。

 

唐松岳

冬の北アルプス・唐松岳八方尾根から眺める白馬岳

2014/3/22-23 唐松岳(北アルプス) 八方池山荘泊の雪山登山

北アルプスの人気の雪山と言えば、まず名前が上がるであろう唐松岳。白馬八方スキー場のゴンドラ・リフトを使えて、ある程度標高の高いところからスタートできるので、冬でも日帰りが可能な山となっています。

この唐松岳も現時点で冬に3回登ってますが、ラッセルを強いられたのは2回目、2014年の時です。

 

白馬八方池山荘からのご来光

この時は前日に八方池山荘に泊まって翌日アタックだったので、日帰り組がリフトで登ってくる前にスタートしました。まだ日の出間もない時刻です。

そしてコンディションも過酷で、序盤から台風並みの暴風。。。偶然にも八方池山荘には、日テレのバラエティー番組・イッテQ登山部に出演しているガイドさん率いるツアー隊もいたのですが、途中で撤退したようで、中盤からは予期せぬ形で先頭になってしまいました。

 

冬の北アルプス・唐松岳 ラッセル登山

天気は良かったのですがとにかく風が強すぎて、今考えたら良く山頂まで行けたなぁと。一緒に登った同行者の2人(あつし、たくみ)がいなければ途中でめげていたであろうコンディションでした。

 

冬の北アルプス・唐松岳 雪山登山

苦労して登ってきたが故に、山頂からの立山~剱岳の白銀の展望は目に焼き付きました。本当に素晴らしかったです。

よく覚えているのが、自分たちのすぐ後を登ってきたソロの方が前夜の八方池山荘で同じ部屋に泊まっていた方だったこと。その方が来るのを待って写真をお互いに撮ったのを覚えてます。(このことは、ソロの方もヤマレコに書いて頂けました)

もう7年前のことですが、過酷な状況で登った山っていうのはやっぱり記憶が鮮明ですね。大変でしたが楽しい登山でした。

 

四阿山

冬の四阿山 ラッセル雪山登山

2013/2/27 四阿山 樹氷と雲海広がる雪山登山

日本百名山ということで通年で多くの人に登られている四阿山。冬季はこれまで2回登ってますが、この山は1回目と2回目で難易度が格段に違いました。

1回目は平日に登ったというのもあって、自分たち以外誰一人登山者がおらず、最初から最後までモフモフの雪との格闘を強いられての山行でした。

スノーシューが大いに役立ちましたよ。

 

冬の四阿山 樹氷と雪の稜線

登っている途中まで天気も良くなかったのですが、山頂稜線に出てから急激に青空が広がってくれて、そこからの怒涛の展開は見事なもんでした。

特にこの時は2013年。まだ自分も雪山なんて数えるほどしか登っていなかったので、えらく感動したのを覚えてます。

 

冬の四阿山 ヒップソリと雪山登山

四阿山は序盤が牧場なので、早々に景色が開けるのも良いところです。

他に誰もいなかったので、夕暮れ時までヒップソリで遊んだのは懐かしい思い出。雲海と北アルプスを眺めながら、バカで贅沢なことをしたもんだなぁと今ながら思います(笑)

 

冬の四阿山 ヒップソリと雪山登山

 

毛無山

冬の毛無山から眺める富士山 雪山登山

2017/2/11 毛無山~雨ヶ岳 日帰り雪山登山

そこまで標高が高くない山でも、降雪直後であればラッセルを強いられることがあるんだなと身に染みて感じた登山がいくつかあります。その1つが毛無山~雨ヶ岳の縦走。

ここは霧氷が綺麗と聞いていたので、あえて降雪直後を狙って行ったわけですが、毛無山までは特に問題ありませんでした。急登でしたが先行者もいたのでトレースもバッチリ。

山頂からの富士山と樹氷の眺めが絶景でした。

 

毛無山~雨ヶ岳 ラッセル雪山登山

問題だったのは毛無山から雨ヶ岳にかけての区間。

てっきりみんな縦走するのだろうと思っていたらそうではなく、途中からトレースも消えて予期せぬ形での一人ラッセル大会となりました。

特にこの時は、アルプスや東北の雪山に挑むようなガチの冬装備ではなかったので、余計に手こずりました。ワカンを持ってくるべきだった……

豪雪山域ではないとはいえ、雪が降った直後というのは化けるもんだなとえらく痛感。冬の山は舐めたらアカンですね。

 

雨ヶ岳から眺める富士山と海

色々ありましたが、雨ヶ岳は富士山と海を見渡す展望があるので、縦走して良かったと思えた登山でもありました。

ダイヤモンド富士で有名なお隣の竜ヶ岳に比べると知名度は低いかもしれませんが、雨ヶ岳もお勧めしたい富士展望の山です。

 

宝永山

冬の宝永山 ラッセル雪山登山

2015/2/1 宝永山(富士山側火山) 日帰り雪山登山

最後がこいつ、富士山の側近でもある宝永山。これまで過酷だった雪山を選べ、って言われたら、間違いなく3本の指に入るであろう山行がこれです。

とにかく暴風でした。そしてスタートからゴールまで、他に誰も登山者がいない状況だったので、自分たちで道を作っていくしかありませんでした。

 

冬の宝永山 暴風の中のラッセル雪山登山

この山の辛いところが、景色が一向に変わらないところ。それゆえ、歩いても歩いても山頂に近づいているという感覚がつかめず、なおかつ風も強いので途中からはもう特訓というか苦行というか、心身ともにかなりハードな状況でした。

「俺たちは今、いったい何をやっているんだろう」と。

 

冬の宝永山 暴風の中のラッセル雪山登山

積雪こそそこまで多くはなかったものの、冬富士の恐ろしいところはとにかく風。数メートル先を歩く仲間の足跡さえ、瞬く間に消してしまい、表面が凍り付き足を踏み入れればズボット埋まるというクラスト状の雪面が厄介でした。

何とか登頂はしたものの、顔面の一部が凍傷してしまい、次の日会社に行くのがものすごく恥ずかしかったのは苦い思い出です……。

 

冬の宝永山雪山登山 山頂から眺める海

暴風を超えていざ宝永山に登ってみれば、風も穏やか。山頂から見た海の展望が平和なひと時でした。

富士山山域は好天に恵まれることは多いですが、常に暴風吹き荒れる状況なので、登る方はお気を付けください。次に登ることがあれば、絶好のコンディションを狙って悠々と登ってやりたいです。

あと、登山とは関係ないですが、この凍てつく暴風の中でミラーレスカメラが良く無事だったなと今さながら思いました。(当時は確かSonyのα6000)

 

以上が今振り返ってパッと思いつくラッセル登山の山行たち。

雪山はコンディションによって大きく状況が異なるので、この山々全てがラッセルを強いられるなんてことは当然ないですが、アイゼンやピッケルだけでは太刀打ちできずある程度の体力勝負になるのがラッセル。

願わくば、先行者のトレースを頼りに楽に登りたいというのが自分の率直な気持ちではあります。

 

過去のラッセル登山の記録でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました